パール
内なる品格“エレガンス”を引き出してくれるのがパール。
“和珠”と呼ばれるあこや真珠もあるほど、日本人として嗜みたいオーセンティックな存在。
品格を宿す、可憐な真珠
海外でパールを身に付けていると、お着物と同じように喜ばれます。それだけ日本を彷彿とさせるジュエリー。数年をかけ、貝の中で育まれる奥深い光沢は外見を飾るだけでなく、内なる品格を引き出し、その方らしい"育ちの良さ"を添えてくれます。パールは、核と呼ばれる貝殻や内側の表面などの成分を材料して人工的につくられた球状のもの。真珠層が何層も巻きつき完成するため、層の厚みや巻きつき方の見極めが重要です。傷、かたち、大きさ、色、巻き、照りから判断していくものの、鉱物とは違い生き物が育むジュエリーは、プロでも難しい。鑑定書を付けるならば、鉱物を扱う鑑定機関ではなく、真珠専門の機関が正解です。
私が美しいと思っているのは、あこや真珠と南洋真珠。和珠と呼ばれるあこや真珠は日本の海で育ち、まれに10mmも出ますが、9mmまでのサイズがスタンダード。日本人の肌に馴染みやすいピンクがかったものが多く、日々の装いの中で頼もしい存在になってくれます。一粒パールのピアスから始めるとしたら8mm~9mmサイズで。存在感があっても、ネックレスとのバランスが取りやすく、華やぎます。
南洋真珠は、その名の通り南洋の海で育ち、8~20mmの大ぶりな粒と照りが魅力。ゴールドやブラックなどモダンな色味なので、手に入るならば、デザインの幅が広がる12~15mmでダイヤモンドを大胆に散らばせて自分好みに昇華してほしい。コーディネートのスパイス的要素として楽しめます。
私がパールを愛し、語っていきたいと思うのは、母から受け継いだ真珠の名家とのご縁があるから。より美しいパールとの出会いを繋いでいきたく、ひとつアドバイスを。パールは柔らかく傷つきやすいため、保管を丁寧にしてあげることが大切。数年経つと、傷が出てきたと感じますが、実はそのほとんどが汚れと言われています。柔らかい布で拭き、高温多湿を避けたジュエリーボックスへ戻してあげることが、美しいパールと長く付き合うお約束です。