ルビー
宝石と共に人生を歩んでいきたいと考えた時、最後に目指すべきところは、ルビー。
年を重ねるほどに似合う赤は、人生そのものです。
永遠の“美”が手に入る、気高い赤
母から常々「歳を重ねたら、ルビーを買いなさい」と言われていました。真っ赤なネイルやリップが肌を白く映してくれるように、ルビーはくすんだ手元を明るく見せてくれる。歳を重ねれば重ねるほどに似合う、若返りの石だと。最後に手に入れるべき宝石と言われたら、ルビーだと思います。
サファイアの項でお話ししたように、ルビーは鉱物であるコランダムから生まれる。サファイアの兄弟。評価の高いルビーは、日の光に当てると強い赤色を放ち、最高峰ともなれば鳩の血を意味するピジョン・ブラッドと呼ばれます。ただ、ルビーのクオリティが高いビッグストーンに出会うことは滅多にないほど希少で、上質なものはコレクターが探し求めているほど。サファイアよりも傷や内包物が見えやすいルビーは、加熱処理をして色味や値段などを整えている石が多いです。傷や色がまだらでも非加熱で産地に魅力を感じる方もいますし、予算的にもジュエリーの目的としてもファッションとして身に付けるなら加熱。ルビーは宝石の中でも高価なものなので、手に入れる時は、どこに価値を置くかをじっくり考える必要があると思います。人によっては、マダムが身に付ける印象が強いですが、肌を美しく見せてくれる赤は、若い頃から付けて損はありません。むしろ、自分を美しく仕上げてくれる上質なコスメのようなもの。シンプルなデザインではなくて、あえて絵画を緑取るような繊細かつエレガントな枠におさめてあげることで、赤の美しさが引き立ち、特別な日から付けていくうちに、ルビーの赤が差し色として欲しくなってくるはず。宝石と共に人生を歩むと考えた時。ルビーは間違いなく最後に助けてくれる存在になってくれます。非常に資産価値も高く、後世に受け継ぐことができ、歳を重ねた時に毎日でも付けたくなる。目指すべきジュエリーは、ルビーです。