櫻井彩子の価値観 VOL.1 -身に着けるもの-
2023年2月26日に「宝石にブランド料は要りません」というタイトルの書籍を出版しました。
書店で私の本が目に留まり、書籍を読んで私のInstagramをフォローしました!という方からご連絡いただくことも増えてとても嬉しく思います。
書籍のChapter3は「PERSONALITY」と題して私の価値観を書き下ろしました。
こちらが好評で、コラムでも続編を読みたいとのお声をいただきましたので、シリーズでお届けしようと思います。
ジュエリーとファッションのコーデをInstagramのストーリーズにアップすると、顧客様達から、ジュエリーをどんなコーデに合わせたらいいのかご質問を頂きます。
正解はないですし、ご自身の好きなタイミングで、いつでも、どこにいくにも身につけていただくといいのですが、私は、宝石をはじめ身につけるものには少々こだわりがあります。
みなさんはお洋服やバッグを買う時に何を判断基準にされますか?
価格という人もいるでしょう。
コストパフォーマンス優先という人もいます。
このブランドの世界観が好きだ、という人もいると思います。
私は「身に付けると自分の気持ちがワクワクするもの」という基準で選んでおります。
このコラムを書くにあたって、もう少し掘り下げてみました。
私の「ワクワク」はどこから湧き出るのか・・
そうすると、ひとつの価値観が見つかりました。
私は宝石もお洋服もバッグも靴も、「作り手が愛でて、ひとつひとつ大切につくっているもの」に惹きつけられます。
5月に訪れたヨーロッパでは、可愛いブタとロバのぬいぐるみを連れて帰ってきました。
ひとめ見た時から、職人の愛情がひしひしと感じられて、”連れて帰らない”選択肢は私の中にはありませんでした。
私が扱うジュエリーも、私が絶対的に可愛いと思うものをデザインして、石留めの技法、ルースに至るまで、ひとつの作品を愛情込めて作り上げてくれる信頼できる仲間にオーダーしています。
多くの女性が憧れる「エルメスのバーキン」は心躍るバッグだと思っています。
クラシックな美しいフォルム、縫製の素晴らしさ、購入に至るまでの担当さんとのコミュニケーション、すべてが「バーキン」の価値だと思います。
きっと私のジュエリーと同じように、バーキンをつくることを誇りにしている方たちが制作に携わっているとわかるのです。
学生の時から、母に
「アクセサリーではなく宝石を買いなさい」
「宝石以外はブランドで買う意味がある」
と言われて育ちました。
宝石はノーブランドでも石に価値があるけれど、バックは違う。同じ皮でもブランドの刻印があるとないのとでは価値や評価が変わるもの。
と、母は教えてくれました。
実際、CHANELもHERMESも、私が学生時代の頃から比べるとかなり値上がりしています。
母の教えもあり、私自身若い時から母が仕入れたジュエリーを身につけていました。
社会に出てお給料をもらうようになるとお金を貯めてはCHANELやHERMESのバッグを買い集めていました。
若い頃から本物を身につけることで培われたセンスは、いま、ジュエリーデザインに活かされていると思うので、母に感謝です。
洋服に関しては、ハイブランドのものも買いますし、SATCに出てきそうな海外のアパレルブランドからも購入します。
ポイントはデザイナーの遊び心が感じられて、唯一無二の存在になれるものを選びます。
宝石も装飾品も私の価値観とお揃いにする必要はなくご自身の力でご自身に合うものを見極めるセンスが必要だと考えております。
いろんな情報に惑わされて他人の意見や他人の振る舞いを気にするのではなく、ご自身の判断で心からファッションを楽しむ方が豊かな人生です。
ご機嫌でいるために、どんな服を身に纏い、どんなバッグを持って、どんな靴を履いて、どんなジュエリーを身に付けようか、ぜひご自身の価値観を掘り起こしてみてくださいね。