ダイヤモンドの4Cはどこまで気にすべき? 宝石商 櫻井彩子に聞くダイヤモンドジュエリーの選び方
ダイヤモンドジュエリーは、人生の節目や初めてのジュエリーとして選ばれることも多く、AYAKO SAKURAIでも人気の高いアイテムです。
一方で、いざ選ぶとなると、ダイヤモンドの美しさの基準となっている「4Cはどこまで気にすべき?」「価格の違いは何で決まる?」と迷う方も少なくありません。
そこで今回、ジュエリー初心者のライターが、宝石商として数多くのダイヤモンドを見極めてきた櫻井彩子さんに、後悔しないダイヤモンドジュエリーの選び方について伺いました。
あなたらしいジュエリー選びのヒントとして、ぜひご参考ください。
|目次|
- "好き"だけで選んでいい? 4Cで見るべき"基準ライン"とは
- ダイヤモンドの輝きはカットで決まる?
- 高グレードが、必ずしも満足につながるとは限らない
- 同じグレードでも品質に差が出る理由
- 長く身につけるジュエリーだからこそ 地金にも目を向けて
- 見た目ではわからない石の背景にも注意を
- 4Cの数字では測れない、"ときめき"のあるジュエリー選びを
"好き"だけで選んでいい? 4Cで見るべき"基準ライン"とは
——彩子さん、今日はお時間をいただきありがとうございます。
ダイヤモンドのジュエリーが欲しいと思った時、
最初は「これが好き!」と欲しくなるのですが、「カラーはDがいい」「カットはエクセレント」「クラリティはVVS以上」など、
4Cの基準を見聞きするほど、"好き"という気持ちだけで選んでいいのかな?と迷ってしまうこともあって…。
彩子:そうですよね、4Cで迷われる方もいらっしゃると思います。
4Cは品質を示す指標で、AYAKO SAKURAIでは、クラリティはSI、カラーはG、カットはGood以上の品質のものを使うようにしています。
この基準より品質の低いダイヤモンドは扱いません。

——それはなぜでしょうか?
彩子:宝石業界的に言われていますが、私の目から見ても「ジュエリーとしての美しさを保てる最低ライン」だと思っています。
まずは、"美しいジュエリーを選ぶためのひとつの目安"として知っていただけたらいいかなと思います。
ダイヤモン
ドの輝きはカットで決まる?
——少し詳しく伺いたいのですが、一般的には4Cの中でも「輝きを重視するならカット優先」と言われますよね。実際そうなのでしょうか?
彩子:カットは職人の技術によってコントロールできる部分なので、限られた予算の中でダイヤモンドを選ぶ際には、満足度につながりやすい項目だと思います。
ですから、カットのグレードを上げるという考え方も、もちろんひとつの選択肢ですが、ダイヤモンドの印象って、カットだけで決まるものではないんです。
——「カットだけでは決まらない」とは、どういうことでしょうか?
彩子:実は、ダイヤモンドって"透明感"でかなり印象が変わるんです。
ですから、私はカットだけでなくクラリティもかなり重視しています。

クラリティは、石そのものが持つ"ポテンシャル"のような部分で、天然の内包物や傷の状態は後から変えることができません。
たとえば、海にゴミが浮いていたら、どんなに太陽の光が差し込んでも水は濁って見えるように、
ダイヤモンドは、光を取り込んで反射して輝きますから、異物や傷などの内包物があると、光の通り道が遮られてしまうんです。
つまり、どんなにカットが良くてもダイヤモンドの輝きが鈍ってしまう。
特に気をつけたいのは、黒い点のように見える内包物(カーボン)です。
グレードの評価で「肉眼では内包物が見えにくい」とされていたとしても、黒い内包物は目立ちやすい。
同じSIでも、"何が含まれているか" で美しさの印象がまったく変わるんです。
——なるほど。同じSI評価でも、見た目の印象に差が出ることがあるんですね。
彩子:そのとおりです。ですから、私はどんなにグレードの高い石でも、内包物の入り方まで確認しています。
高グレードが、必ずしも満足につながるとは限らない

——そうなると、クラリティの高いダイヤモンドがよいのでしょうか?
彩子:ただ、クラリティを上げるには、当然ご予算が必要になります。
——そうですよね…(涙)
彩子:IFクラスなどハイグレードな石だけを使うと、価格が高くなり多くのお客様にお届けできなくなってしまう。
私はできるだけ、多くの方にダイヤモンドジュエリーの魅力を楽しんでいただきたいと考えています。
なので、SI以上の品質を前提としながら、その中でも厳選して美しいと思えるダイヤモンドだけを選んでお届けしています。
大切なのは、グレードの数字だけではなく、石のサイズや価格とのバランスを見ながら、ジュエリーが最も美しく見える組み合わせだと思っています。
——つい高いグレードを選びたくなりますが、そうではないんですね。
彩子:それに私は、ご購入後に長く満足していただけるかどうかも大切にしています。

最初は0.3ctを選ばれるお客様が多いのですが、後になって「もう少し大きいものにしておけばよかった」とおっしゃることも少なくないんです。
ジュエリーってその時だけのものではなく、長く身につけていくものですよね。
だからこそ、今の自分に合うかだけで決めるのではなく、長いスパンでどんなふうに身につけていきたいか、という視点で選んでいただくこともおすすめします。
同じグレードでも品質に差が出る理由

——ここからはお客様からよくいただく質問について伺います。
「同じスペックのダイヤモンドジュエリーでも、価格が違うことがあります。できれば安い方を選びたいなと思ってしまうのですが、何が違うのでしょうか?」
彩子:そうですね。同じスペック表記であっても、実際には見えない部分の品質や、どこまで手間をかけているかによって価格が変わることがあります。
たとえば「メレダイヤ」の品質でご説明すると
メレダイヤは脇石などに使用される小さなダイヤモンドですが、一粒ひと粒は小さくても、ジュエリー全体の輝きや印象を左右する、とても大切な存在です。

ただ、メレダイヤは仕入れ段階で「シェイカー」と呼ばれる道具で大まかに分類されていることが多く、同じグレード表記でも品質がばらつく場合があります。
彩子:だからこそAYAKO SAKURAIでは、メレダイヤであっても、専門の職人が一粒ひと粒選別し、SIグレードで仕入れた中でも、VS以上の美しさを感じられるものだけを使っています。
——なるほど。同じグレード表記でも、その中身をどこまで丁寧に選別しているかで、価格も変わってくるんですね。
彩子:はい。カットについても同じで、Good以上で仕入れても品質にはばらつきがあります。そのため、私はカットの質を揃えることにもこだわっています。
カットが揃うと光が均一になり、一粒の大きなダイヤモンドのように美しく輝くんです。
——口コミで「キラキラがすごい」というお声が多いのも、そうした細かな選別やこだわりがあるからなんですね。
彩子:表からは見えない部分ですが、その積み重ねがお客様に価値として伝わっているのだとしたら、本当にうれしく思います。
長く身につけるジュエリーだからこそ地金にも目を向けて

——他に価格差が出やすいポイントはありますか?
彩子:そうですね。地金の厚みでしょうか。
価格を抑えるために、地金を薄く仕立てているジュエリーもあります。
ただ、地金が薄いと変形しやすく、石留めに影響が出ることもあるので、耐久性には注意が必要です。
見た目ではわからない石の背景にも注意を

彩子:あとは、流通している石の背景も気にされた方が良いですね。
——石の背景ですか?
彩子:AYAKO SAKURAIでは、採掘された新品の石を使用していますが、一度誰かのジュエリーとして使われていた中古石は安く仕入れられるんです。
中古石を新品仕上げすると、一般の方が違いを判断するのは難しいと思います。
——つまり、4Cだけでは見えない部分が、ジュエリーとしての価格差につながっているんですね。
4Cの数字では測れない、"ときめき"のあるジュエリー選びを

——すごく勉強になりましたが、聞けば聞くほど、4Cなどの数字では測れない部分があり、購入者が見極めるのは難しいのでは?と思ってしまいました。
彩子:そうですよね。一般の方が見極めるには、ハードルが高いと思います。
実際「Dカラーでなければいけない」と思われていた方が、Gカラーの実物をご覧になって「全く気にならない」と、そのままご購入されることはよくあります。
4Cを気にしすぎると、心がときめいたジュエリーを見逃してしまうことがあるんです。
——彩子さんがいつもおっしゃる"ときめき"は、こういうところに繋がっているんですね。
彩子:はい。4Cはあくまで美しいジュエリーを選ぶためのひとつの目安ですから、数字だけを追いかけるのではなく、「見た瞬間に素敵だな」と感じる気持ちも大事にしていただきたいですね。
——自分では見極めきれない部分もあるからこそ、誰から選ぶか、誰に相談するかも大切なんですね。信頼できるプロを見つけることも、ジュエリー選びの大切な要素なのだと感じました。
本日はありがとうございました。